りんこうや

少々年季の入った自転車乗りの独り言

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

俺の自転車スタイル:二つの結婚式

二つの結婚式には、義男と浩二、そして、義男の妹の祥子も呼んだ。これが俺の条件だった。俺の大切な仲間だ。 俺はてんやわんやだった。姉の理香子の結婚式では姉の父親役、翌週弟の次郎の結婚式では弟の父親役だ。 身内だけの結婚式だったので、そんなに規…

俺の自転車スタイル:もうひとつの「そして」

姉の理香子が結婚の準備を進めていると、弟の次郎が礼子を伴って俺の部屋を訪ねてきた。そして、二人で俺に土下座した。 兄ちゃん、礼子さんと結婚させてください。 お前ら、ちょっと待て。どいつもこいつも、そういう挨拶は親にするものだろうに!なんだっ…

俺の自転車スタイル:そして。

自転車スタイル書こうと思っていたんだが、すっかり家族史になってしまった。まあ、いいや。人生の振り返りさ。 さて、俺に、お姉さんをください、というふざけた挨拶をした俊也と姉の理香子だが、結婚することになった。 この俊也のふざけた挨拶、姉は知ら…

俺の自転車スタイル:もう一つの第一歩

事業が軌道に乗りそうだと目途が立った時、俺は、姉の部屋から出ていくことにした。姉は複雑な顔をしていた。 ついにあなたも独り立ちね、次郎が独り立ちして、太郎が独り立ちか。一番しっかりしていないあなたが独り立ちしたんだから、そろそろあたしも独り…

俺の自転車スタイル:第一歩

独り立ちの準備をすると宣言したものの、ぷー太郎に毛の生えた程度の俺には先立つものがない。 ねぐらは、姉の部屋のままだ。 俺は自転車バカで、社会人経験は、ちょっとの間の営業と、倉庫の荷物係しかない。でも、独り立ちの目算が、全くないわけではなか…

俺の自転車スタイル:独り立ち

やがて、次郎が理香子と俺のねぐらに彼女を連れてきた。次郎は彼女に、これは姉と兄による面接だと言っていたらしい。 弟は、俺とはずいぶん違う。女を見る目も確かなようだ。俺も姉も、彼女のことをすぐに気に入った。 彼らが近くのホテルに去っていくと、…

俺の自転車スタイル:インストラクター

そんな時、大学の後輩が連絡をしてきた。大学時代の提携ショップが、初心者向けのインストラクターを探しているのだという。 そのショップのオーナーは、俺がMTB、ロード、ランドナーの三頭使いだということを知っているので、大学の後輩に連絡の仲介を依頼…

俺の自転車スタイル:姉と弟

バブルの後遺症は、これだけではなかった。 姉の会社が、もっと大手の企業に買収された。姉はモデルの仕事は完全に失い、普通のOLになった。だが、姉の部署の閉鎖も決まり、姉は会社を去らざるを得なくなった。のちに、その大手の会社は外資に買収された。 …

俺の自転車スタイル:バブル崩壊

楽しかった。親戚や、気の置けない仲間たちと、好きな自転車に乗りまくる、こんな楽しいことがあっていいものか!と思っていた。 だが、それは長続きするものではないのかもしれない。 バブルが崩壊した。 理香子の会社がまず打撃を受けた。モデル料代わりの…

俺の自転車スタイル:チーム活動

そろそろ、登場人物に名前を付けないといけない。書いていてこんがらがってくる。 仮名だが、姉:理香子、俺:太郎、弟:次郎、義理従兄:義男 としよう。 そして、俺の友は 浩二 としよう。 さて、ロードチームといっても、当時、草レースとはいえそんなに…

俺の自転車スタイル:スポンサー

俺ら姉弟の写真が、姉の会社の重役の目に留まった。それがきっかけで、姉の会社の関連会社がチームのスポンサーについてくれることになったのだ。 もちろん、わずかながらの資金提供だ。その代わり、会社のロゴをどこかに入れるという契約だった。それでも、…

俺の自転車スタイル:軍資金

俺は倉庫会社で、荷物の出し入れ係をずっとしていた。1年たったある日、あまりにも暑いので、制服の上着を脱いで、タイトフィットのタンクトップで仕事をしていた。ちょうどその時、姉の会社の広告の撮影係の人が、倉庫に預けてある服をチェックしに来た。 …

俺の自転車スタイル:変容

俺の身体も、少しずつ戻ってきた。仕事のおかげで、身体は絞れてきた。弟や義理従兄にはまだ追いつけないが、完全に置いていかれることも少なくなってきた。 身体が戻ってきたのと同時に、身体そのものが変わっていった。 仕事で身体が絞れてきたのと同時に…

俺の自転車スタイル:退職届

翌朝、真っ赤な目で会社に行き、上司に退職届を出した。当然、事情を聴かれた。慰留もされた。 午後、上司の上司に呼び出された。また、事情を聴かれた。俺は、こういった。俺は、自転車が好きだ。でも、営業をやっている限り、ロード乗りとしての体調管理が…

俺の自転車スタイル:社会人

俺は、大学を卒業後、普通の企業に入社した。なんとか足の骨折は、脚を引きずることない程度には回復したが、顔の傷はまだ少し残っていた。が、それでも採用してくれた会社にとっては、貴重な戦力だったのだろう。 バブル経済の影響だろうか。 俺は、営業に…

俺の自転車スタイル:ロードレースチーム

俺ら姉弟チームのエースは俺ではなかった。弟だった。弟はオールラウンダー。俺は、どちらかというとクライミングが得意だが、スプリント力はあまりない。 姉弟チームは、そんなに数は多くないものの、草レースに出ていた。当時は、もちろんチーム力というこ…

俺の自転車スタイル:姉

俺は、もともと姉コンの気がある。弟は兄コンだ。つまり、男兄弟はみんな直上の姉兄にベッタリだ。 姉は姉で、弟コンだ。 俺が大学で自転車を始めたら、弟も自転車に乗り出した。ロードだ。実は、姉と弟2人は父親が違う。姉の父親と姉弟の母親は、姉が生まれ…

俺の自転車スタイル:別れ

俺が病院に担ぎ込まれて手当を受けているころ、彼女も病院にすっ飛んできた。俺は、顔面の右側に傷を負ったが、左ほほを彼女にびんたされた。そして、さようなら、といって彼女はすぐに病院を去っていった。 数日後、友が寝起きする大学寮に、彼女の部屋に置…

俺の自転車スタイル:生還

俺が遭難して身動き取れずにいたころ、友は俺の彼女のアパートを訪ねた。約束の時間だった。彼女は料理学校に通う生徒で、彼女の試作品を俺と友とで批評する、という名目で集まるはずだった。 が、俺が帰ってこない。 友は、俺の行き先を知っている。こんな…

俺の自転車スタイル:滑落

こうして、ロードレーサー、MTB、ランドナーの3種類の自転車が俺の相棒になった。 大学4年の冬、やめときゃいいのに、雪が降る前にと、あまり標高の高くない里山にでかけた。相棒は、ランドナーを改造したパスハンターだ。ライバルの友を誘ったのだが、彼は…

俺の自転車スタイル:ランドナーとMTBとロードレーサーと

俺が大学で未舗装林道やシングルトラックを走り回っていたころ、ロードバイクという単語は一般的ではなかった。ロードレーサー、もしくは、単にレーサーと呼んでいた。 俺はランドナーを改造したパスハンターで林道を走り、MTBでシングルトラックや夏のスキ…

俺の自転車スタイル:パスハンとMTB

大学のサイクリング部は、体育会の中でも楽勝な部だと認識されている、一般的には。だが、それは、あくまでもサイクリングという語感からくる誤解だ。頭のネジが足りない連中が数多く集まるグループがその実態だ。 俺の大学は、とある都市の郊外にキャンパス…

俺の自転車スタイル:大学サイクリング部入部

俺は、1980年代、大学生だった頃から自転車をはじめた。もともと、中学高校では別のスポーツをしていたのだが、膝と足首を痛めた。大学でスポーツするなら体育会でと思っていたのだが、その怪我のために高校3年生以降自分で満足できるプレーができなくなり、…

全く面白くない、自転車に関する雑記

ブログを始めるといっても、なにかテーマがあるわけではない。日記というか、徒然なるままに自転車関連のコトを思いつくがままに書き連ねるだけだ。 写真を投稿するつもりはないし、読者が欲しいわけでもない。 自分が誰だか明かすつもりもなければ、何かを…