りんこうや

少々年季の入った自転車乗りの独り言

俺の自転車スタイル:パスハンとMTB

大学のサイクリング部は、体育会の中でも楽勝な部だと認識されている、一般的には。だが、それは、あくまでもサイクリングという語感からくる誤解だ。頭のネジが足りない連中が数多く集まるグループがその実態だ。

俺の大学は、とある都市の郊外にキャンパスを構えている。当時は、未舗装林道も数多くあった。林業がまだ集落の主要産業になっている場所も多かった。郊外のキャンパスからは、そんな林道に日帰りすることはむつかしいことではなかった。

もちろん、輪行して脚を延ばせば、いくらでも走り回れる山や峠があった。

サイクリング班は、そんな峠道を好んだ。

MTB班は、むしろレース主体だった。そんなある日、MTB班から声がかかった。ちょっとやってみないか、と。

先輩のマシンをかり、とあるダウンヒルコースを疾走した。

なんだこのスリルは!

パスハンティングは、我々が享受するベネフィットをもたらす文明社会から少し時計の針を戻したチャレンジに対する共存性をもって達成感を味わうスポーツだった。MTBは、舞台こそ似ているが、同じチャレンジを現代の道具で克服する達成感を味わうスポーツだった。

俺は、MTBにもはまった。後々、これが俺に大きな恩恵をもたらしてくれた。それは、マシンコントロールだ。俺は今ロードバイクに乗っているが、マシンコントロールはロード乗りの中ではかなりうまい方だと思う。

パスハンティングもMTBも、山がフィールドだ。

身体中に擦り傷をたくさんつけながら、俺は山の中で、金属のマシンにまたがって青春を過ごした。