りんこうや

少々年季の入った自転車乗りの独り言

俺の自転車スタイル:姉

俺は、もともと姉コンの気がある。弟は兄コンだ。つまり、男兄弟はみんな直上の姉兄にベッタリだ。

姉は姉で、弟コンだ。

俺が大学で自転車を始めたら、弟も自転車に乗り出した。ロードだ。実は、姉と弟2人は父親が違う。姉の父親と姉弟の母親は、姉が生まれるとすぐに離婚し、母が姉を引き取って育てていた。そのあとで俺らの父親と出会い、再婚した。姉は俺より5つ上、弟は4つ下だ。俺は親と折り合いが悪く大学に入るとすぐに家を出たので、金のかかる自転車はバイトで工面した。弟の自転車は、親が出した。まだ中坊だったし。

で、俺の自転車だが、バイト代だけでは賄いきれない。短大を出てもう社会人になっていた姉が資金援助してくれた。頭が上がらないのは、こういうことでもある。

俺の大学にはサイクリング部があったが、弟の中学、高校には自転車部がなかった。兄コンの弟には仲間がいなかったのだ。

いや、いるにはいた。弟は地元のショップのグループに入れてもらったのだが、そのグループはレースではなく、ツーリングメインだった。弟は、大人に混じってメキメキ頭角を現し、地元の自転車コミュニティではちょっとした有名人になった。

姉が動いた。姉が代表兼マネージャーとして、俺を入れて姉弟チームをつくったのだ。俺は、大学チームではロード班を離れてサイクリング班とMTB班掛け持ちでレースではMTBに専念、姉弟チームではロード選手として活動することになった。

姉は、弟の俺が言うのもナンだが、美人だ。就職先がアパレル系の会社だったので、専属ではあったが、広告などのモデルをしていた。そのおかげで給料は平均の倍くらいと言っていた。そして、惜しみなくその余剰分を俺ら弟2人につぎ込んだ。

ただ、俺の大学の所在地と地元は、120キロほどの距離だった。姉の会社のある市は、大学からさほど離れてはいなかった。姉は、俺ら弟の面倒をよく見てくれた。