りんこうや

少々年季の入った自転車乗りの独り言

俺の自転車スタイル:変容

俺の身体も、少しずつ戻ってきた。仕事のおかげで、身体は絞れてきた。弟や義理従兄にはまだ追いつけないが、完全に置いていかれることも少なくなってきた。

身体が戻ってきたのと同時に、身体そのものが変わっていった。

仕事で身体が絞れてきたのと同時に、筋肉がついてきたのだ。自分では、なかなか気づかなかったのだが、最初にそれに気づいたのは姉だった。

ある日、姉が上半身裸になれといってきた。姉が言った。筋肉すごいよ、と。

そうか、これだったのか。体重がなかなか減らなかった理由がわかってきた。もともと、俺はやせ型だった。大学に入って、上半身の筋肉はほとんどついていなかった。が、倉庫での仕事は完全な力仕事で、上半身をよく使う。その上で、モデルもやっている姉の勧めでプロテインを摂取しはじめたので、上半身の筋肉がついてきたのだ。

一つの謎も解けた。クライミングが遅くなったと思っていたのだ。脚は戻りつつあるのに登れないのは、まだ余計な脂肪が邪魔しているからだと思っていた。見た目には脂肪はないように思えたが、内臓脂肪とやらがべったりしているのだと思っていた。しかしどうやら、筋肉がついてきたようだった。

ちょっと戸惑いもした。登れない。悩み始めた。登れないクライマーなんて。

また、姉が助けてくれた。無理して登らなくていい、曳け、と。

そうか、そういう手があったか。俺は、クライマーにこだわることをやめにした。なにか吹っ切れた気がした。

そして、この上半身の筋肉は、もう一つ俺に大事なものをもたらしてくれた。それは、資金だった。