俺の自転車スタイル:そして。
自転車スタイル書こうと思っていたんだが、すっかり家族史になってしまった。まあ、いいや。人生の振り返りさ。
さて、俺に、お姉さんをください、というふざけた挨拶をした俊也と姉の理香子だが、結婚することになった。
この俊也のふざけた挨拶、姉は知らされていなかったらしい。俊也も、事前に考えていなかったけれど、とっさにそういう行動をしてしまったとのことだ。
俺は俊也にこう言った。俺は、はっきりいってひどい姉コンのようで、弟は兄コン、+姉コン、姉は弟コンっていう滅茶苦茶な姉弟だが、あんたはそれでもいいのか、と。姉と結婚したら、もれなく、うざったい弟二人が付いてくるぞ、と。
俊也は、それでもいいという。姉弟愛と夫婦愛は別のものだ、ということのようだ、彼にとっては。うん、俺も彼女が何人かいたから、それはわかるけど、結婚とはちがうのじゃないかな。
まあ、姉も俊也に対する感情は、俺や次郎に対する感情とは別物らしいので、それはそれでいいか。
さて、俊也がふざけた挨拶したので、姉は姉でちょっと仕返ししてやろうと思ったらしい。普通バージンロードは、父親がエスコートする。が、俺らに父親はいない。姉の実父はまだ健在だが、母と離婚以来、姉とは一度もあっていない。つまり、30+/-ン年間連絡をしていない。姉に、心の中では実父とつながりたいのじゃないかと聞いてみたところ、全く感情がないとのこと。結婚式にも呼ぶつもりがないらしい。むしろ、他人なのに受け入れてくれた継父が唯一の父だと言っていた。
その父がいないので、こういう場合、年上の親戚の男性がエスコートするのだろう。が、姉の考えた仕返しとは、俺がその役をやる、というものだった。
弟が姉の結婚式のエスコートするなんて、聞いたことがない。なので仕返しなのだそうだ。それに、姉曰く、俊也が俺に対して姉との結婚の許可を求めたのだから、俺がエスコートして何がおかしい、とのこと。
そんなの、姉が弟コンだって向こうの家にばれるじゃないかと言ったら、それの何が悪い、と開き直られた。
もっとも、結婚式は親戚だけで行うので、この際だから隠し事はなくしたいらしかった。複雑なのは母親だった。そのころ、母も体調を崩し入院していて、姉の結婚式には出られそうもなかったのが幸いか。
姉がそういう準備を進めていると、もう一つ事件が起きた。